Canon EF 70-300mm F4.5-5.6 DO IS USMを導入。緑ハチマキの珍レンズは圧倒的にコンパクトだった。

過去に所有していたレンズのレビュー、書きかけのままお蔵入りになっていました。話だけ聞いてやってください。










レンズを手放した理由


いきなり悲しい見出しで申し訳ないのですが、単純に説明すると、 ナナニッパを購入するための下取りになったから。70-200mmと70-300mmをダブって所有しておくほど、 色んなバリエーションの写真を撮るようなタイプではありません。 年に数回、運動会やスポーツ大会で使用するのが主目的で利用頻度が低く、望遠ズームはナナニッパ一本に絞りました。
このナナサンDOがナナニッパに置き換えられた理由はお気づきの通り、解放F値の大きさです。 別に特段このレンズが暗いわけではありません。至って普通です。 解放F値を追求したのは、ボケを増したかったのはもちろんですが、他に理由があります。 実は、『ナナニッパ一本に絞りました』と書いた通り、他のレンズも同時に下取りに出し、所有本数を減らしています。 それは SIGMA 150-500mmだったのですが、もともと図体がデカいのに、ナナサンDOとの併用で、更に荷物がかさばっていました。 そしてこれをナナニッパ+テレコンに置き換えることで、コンパクト化するのが狙いでした。




おすすめの特徴

できれば手放したくなかったこのナナサンDO。良いところはやはり圧倒的なコンパクトさ。 そしてテレ側に余裕のある焦点距離も魅力です。使ってよかった点はこんな感じ。

  • 公園や施設へのおでかけにも持ち出せるサイズ
  • なのにしっかりアップで撮れる
  • ハチマキが与えられるほどの高い光学性能
  • 中古市場で比較的安価で入手可能
  • フィルター径58mmで互換性高くお財布に優しい
  • 甘い逆光特性による独特の柔らかいフレア

おでかけサイズ

メーカーページでもプッシュされている通り、全長99.9mmは圧倒的にコンパクト。 EOS kissのキットレンズよりも短いのは驚きです。 99.9mmという値から、絶対に100mmを切るという企画部署の強いコダワリと、 設計者の並々ならぬ苦労が伺えますが、そのおかげで、子供とのおでかけにも持ち出せます。 ただし、質量は720gとしっかり身が詰まっています。コンパクトな分ギャップがあり、 感覚的には小ぶりのメロンを手に取ったような印象です。トレーニングになりますね。

しっかりアップ

テレ端300mmは、運動会はもちろん、それこそ、おでかけのときにも活躍しました。 子供をアスレチック公園に連れて行きましたが、吊り橋を渡ったり、ターザンロープを滑っていく様子を、 カメラを意識することのない自然な表情のまま残すことができました。 300mmの焦点距離があれば、さらにそんな表情をアップで切り取ることも可能です。

高い光学性能

Lレンズの赤ハチマキのように、DOレンズには緑ハチマキが与えられています。 回折現象を利用したDOレンズは、圧倒的なコンパクト化を実現しながら、 一般的なレンズ同等以上に色収差を抑えた高画質を得ることができます。 つまり、Lレンズ同様に、妥協のない光学性能を有しているということです。

中古は安価

そんなナナサンDOですが、人気のおかげもあり、中古市場では落ち着いた価格で多くのタマが流通しています。 現在では生産終了してしまいましたが、最近まで生産されていたこともあり、中古とはいえ、 かなりの美品が新しいオーナーを待っている状態です。同じ焦点距離を持つ白いLレンズも生産されていますが、 中古同士でもLレンズの方が数万円高い値段設定がなされています。ですので白いビジュアルが必要でなければ、 ナナサンDOを選ぶ方が賢い選択と言えるかもしれません。

フィルター径58mm

地味に嬉しいフィルター径が58mmです。かなり多くのキヤノンユーザがこの径のレンズを手にしたことがあるはずです。 なぜならEOS kissのキットレンズと同じだから。もしPLフィルタやNDフィルタを既にお持ちであれば、そのまま活用できます。

柔らかいフレア

このナナサンDOが一部のユーザから敬遠されてしまう理由の一つに、逆光耐性の甘さがあります。 逆光で使用すると、他のレンズより比較的フレアがかかり易いです。でもそれも、人によっては良いポイント。 例えば私のように子供の姿を収めるのには、カリカリの最高画質は必要ありません。 むしろふんわりと独特のフィルタがかかったようなフレアは オールドレンズライクの雰囲気を醸し出し、心に残る写真に仕上がるのです。



パッケージ


パッケージ
美品が手に入り易いと述べましたが、元箱が残っている個体も多いと思います。箱も結構小さい。




内容物
レンズフードとポーチが同梱されているのはお高いレンズの証拠です。


製品本体


レンズ表面の模様
レンズ表面には、DOレンズ特有の模様が刻まれています。表面といっても、のぞいて見える前玉群の途中のことですから、 外気に触れる部分に溝があるわけではありません。





Kenko PRO1D
キタムラなら保護フィルタも中古で安く手に入ります。ケンコープロ1Dが400円はお買い得。最寄りの店舗では、 以前はジャンクコーナーのカゴに入れられていたのですが、現在はカウンター内に隠されてしまいました。 カゴの中が引っ掻き回されると、綺麗なフィルタも傷物になってしまうので、注文があったときだけ出すとのこと。 知る人ぞ知るスタイル。





24-105L 70-300DO
フィルタを装着し、24-105mm F4Lと並べてみました。共通のデザインとなっており、高級レンズの一つとしてラインナップされていたことがわかります。 ちなみにこの24-105もこの後、24-70 F2.8購入の際の下取りになり、今は手元にありません。アーメン。




その2
相手がテレ側105mmとはいえ、標準ズームよりも短い全長はNICE。



フード装着
フードをつけるとナナサンDOの方が長くなります。丸形フードなので望遠レンズ感が増しますね。 設定は丸形フードですが、レンズ先端が回転するわけではありません。




ズーム最大時
テレ端までズームするとこんな感じ。2段繰り出しにより、かなり伸びます。ロックスイッチが備えられているため、 運搬時に自重で伸びることはありません。24-105は伸びます。




植毛加工
こちらもLレンズ同様に、フード内部に植毛加工が施されています。なんだかちょっと埃っぽいですが、コロコロを一枚剥がしてペタペタやれば取れます。じゃあ取ってから撮影しろよってね。



作例

残念なことに、子供ばかり撮影していたため気軽にネットにUPできる写真がほぼありませんでした。生き物の写真で勘弁してください。



ワラビー EOS6D 300mm 1/250秒 F5.6 ISO100
柵の中で暮らしているワラビーの群です。柵から距離があったのですが、300mmのおかげで随分引き寄せることができました。 ブログになった時点で画質は落ちてしまっているでしょうか?実際ははっきりくっきり色濃く撮影できています。 あとどうにも構図に困って手前に植木の幹をかぶせています。微妙な距離感でボケ量は大したことないですが綺麗かな。いや、ちょっとコラージュっぽいかも。




ワラビー EOS6D 300mm 1/250秒 F5.6 ISO125
こちらもワラビー。先程よりだいぶ柵のそばにいたので、顔面を日の丸で撮影しました。被写体が近く、背景と距離が取れているので、結構ボケてます。ざわつきなく綺麗なボケです。またワラビーのまつげは細くしっかりと写っています。




オオゴマダラとバナナ EOS6D 300mm 1/500秒 F5.6 ISO250
最後に植物園の温室にいた蝶とバナナです。蝶の顔まわりの細かなパーツや、バナナの先端の枯れた花がくっきり写っているのはもちろんですが、 翅の表面を覆っている鱗粉の粉っぽさもよく写っています。これだけ距離に差があると、 背景はしっかりボケており、木漏れ日が大きな玉ボケになっています。 口径食でレモン型になっていますが、ムラなく滑らかな質感はさすが高級レンズといったところでしょうか。

改めて、素晴らしいレンズを手放してしまったことを痛感しています。





さて、今回も最後までご覧いただきありがとうございました。良いカメラライフを!

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